飛び切り燗(55度前後)
一般的にはあまり推奨されないほどの高温です。
味や香りのバランスはかなり崩れ、酒器を口に近づけると発散したアルコールが鼻を刺激します。
そのままではなく、炙った魚のヒレや骨から旨味を移して楽しむ「ヒレ酒」「骨酒」や、あえてアルコールを飛ばし気味にする「玉子酒」など、アレンジメニュー向きの温度です。
人間の味覚は、温度が上がるほど甘味や旨味を感じやすく、酸味を感じにくくなっていきます。
また、アルコールや香り成分の一部など揮発しやすい成分は、温度が上がるほど発散しやすくなり、酒器に口を近づけたときにしっかり感じられるようになります。 酸味や香りよりも甘味・旨味を中心としたコクを特徴とする本醸造酒や純米酒などは、基本的に燗に向いている酒だと言えるでしょう。